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大学生が色々書くブログ

実は最も「子供向け」に近い作品だった Hob(感想)

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ハード steam、PS4(日本未発売)、Nintendo Switch

ジャンル アクションアドベンチャー

発売日 (PS4版、PC版)2017年9月26日(Switch版)2019年4月17日

開発・発売 Runic Games (Switch版の発売元はPerfect World)

定価 PC版 1,980円 Switch版 2,378円

 

 

~概要~

今年のSteamサマーセールで世界観に惹かれ購入。セール時だったので安く手に入り、当時はゲーミングPCを手に入れSteamのセールの恩恵の大きさに改めて驚いた。ただ、PCを購入してからというもの、対戦型ゲーム(というか完全にAPEX)にドはまりしていたので、一人用ゲームをあまりプレイしていない期間だったので、今作自体をやっていなかったというより他のオフラインゲーム自体を触れてこなかったので、結局サマーからウインターまで引きずった。今ではウインターセールが開催中である。全体がそこまで長いゲームではないので、腰を据えてガッツリやってみるとすんなりとゲームクリア。面白かった。

 

開発元のRunic Gamesは前にディアブロシリーズのようなハクスラ系のTorchlightシリーズを手掛けており、今作とはかなり雰囲気が異なるゲームを製作していた。Runic Gamesは今作を発売後、消滅し親会社のPerfect Worldに吸収されることになったので、実質最後の作品である。

 

~システム~

アドベンチャー要素は2D時代のゼルダの伝説を彷彿とさせる箱庭型のアドベンチャーゲームで、ゲームが進んだり新たなアクションを主人公が習得すると新たに行ける場所が増え、くまなく散策すれば新たなアクションを習得できるアイテムや体力が増えるアイテムを入手出来たりする。

謎解き要素もあるが、直感で出来るものがほとんど。一つ一つは小粒ながらも、何度も重ねることで達成感を覚えるタイプ。謎解きで行き詰まるようなことはほとんど無かったが、じっくり考えながらやりたい人には物足りないかもしれない。

武器はザ・王道の剣と今作で最も重要な要素である左腕。主人公の左腕はオープニングで失い、代わりにロボットの腕をつけることになるのだが、この左腕がキモで、ゲームを進めていくと新たなアクションが追加され行ける場所が増えるようになる。

敵は結構強め。気を抜くとすぐにゲームオーバーになる。敵を全て倒さないと先に進めない場面も少なくないので、結構死ぬ。ただ、チェックポイントが多いので直前からやり直せることがほとんどであり、やり直す作業を強いられないのでそこまでストレスは溜まらない。ただ、やっぱり敵は手ごわい。

基本的なゲームの流れは、各地に存在する謎解きをクリアしたり、アイテムを見つけたりしながら、敵を倒し、汚染が広がる(後述)世界を元のキレイな世界に戻していく。これがクリアまで続くので、展開自体は単調。

クリア時間は10時間前後。値段を考えれば妥当なボリュームだろうか。もちろん、アイテム収集を行えばさらに時間はかかる。

 

個人的には楽しめた。謎解きが終わればダイナミックな地形変化が起きたり、結構大きく変化するのでその分達成感や快感は大きい。やはりゲーム特有のこの快感、何者にも代えがたい。ゲームをやってる意義がそこにはある。

ただこのゲーム、3Dアクションかつ高低差があるので、バグでハマることも少なくない。特に不満というわけではないが、少し気になった。

あと環境音がデカい。音量は調節できるが、それでも大きいので、プレイする際には気をつけて欲しい。

 

~ストーリー~

物語といってもほとんど語られることはない。日本語化はされているのだが、全てのキャラクターの話していることが聞き取れない(多分独自の言語)ので、ジェスチャーなどで個別に考察していくしかない。次の目的地もジェスチャーのみで伝えられることがほとんどだが、その後にマップで表示されるので特に問題ではない。

全部「~っぽい」で片付いてしまうが、

主人公は相棒っぽいロボットと一緒に外に出かけていたが、謎の汚染された明らかにヤバそうな人食い虫に左手を汚染され、ロボットは全身に汚染が回る前に主人公の左腕を切断することになる。その後、ロボットは自身の左腕を主人公に与え、主人公は世界の汚染を取り除くことで様々な場所へ進めるようになっていき、物語の結末にした主人公のとある選択とは・・・???

最近ではメジャーなジャンルの一つとなった「雰囲気ゲー」の一つ。この雰囲気ゲー、他の作品もプレイしているが、結局あんまり乗れずに終わることが多い。ぶっちゃけた話、ボリュームが少ないゲームが多いので感情が入る時間もなく終わるので、頭の中にクエスチョンマークが残ったまま終わるゲームがほとんどである。

今作も割とわからず終いで、最終盤のこのキャラ達は一体何だったんだ、っていう疑問がぬぐえないまま、エンディングを迎える。

ただ、雰囲気ゲーながらもアクション要素がしっかりとしているので、ゲームとしての質も高い。雰囲気ゲーというジャンル自体ではゲーム部分に物足りなさを感じることが多いのだが、今作はしっかりと作りこまれている。

ストーリー自体は一応やりこみ要素の部分でわかることがあるらしい。あくまで空想の域を出ないが。

 

~今の子供にプレイしてほしい作品~

プレイしてみた感想だが、一番に感じたのは完全に「子供向け」だなと感じた。ゲーム内の描写が若干生々しい場面があるかもしれないが、今作は子供にプレイしてなんぼである。

そこまで謎解きが難しくないのでサクサク進むし、進む為の達成感を得やすい。子供はゲームクリア以外にもプレイするモチベーションを見つけがちである。

一度クリアした場所にもう一度行ったり、自分で考えた縛りプレイなどを行ったりなど、何度も何度も世界を探索するうちに自然と頭の中に地図が出来上がってくる。

実際自分も子供時代にプレイしたゲームの世界は今でも頭に残っている。ここ数年でプレイしたゲームには無い。クリアしたらもうやらなくなるからである。

他にもゲームをする時間にも違いがあり、今では何時間も出来るが、子供の頃はそうはいかなかった。家のルールで基本1日1時間しかプレイできず、どんなゲームであろうが自然とプレイ期間は増えていく。何か月もかけてクリアすることなど、今では積みゲー以外考えられない。期間が長いというのも、記憶に残りやすい理由だと思う。

Hobという作品は世界を隅々まで探索すること自体が一番輝くことであり、自然と探索したくなる要素もある。そんなゲームに最もふさわしい年齢層は、やはり子供以外考えられない。

他にも子供がクリアするにはそこそこ難しい難易度だったり、アクションの数も多くないので使いこなしやすい点だったり、今作は抜群に子供との相性が良いゲームである。最近の人気ゲームではあまり見れなくなったジャンルのゲームであり、オンラインで遊ぶゲームも良いが、しっかり構えてクリアする快感を実感できるオフラインゲームをどれだけ子供の期間に経験できるかは大事。

~まとめ~

steamのサマーセール中にノリで買った割にはかなり楽しめた一作。次回作が無いのが本当に悔しい限りである。

ジブリのような世界観、ファンタジーながらも少し怖さがあるような魅力的な世界を楽しむという部分では「雰囲気ゲー」の本質はついている。

実際遊んでみると意外と難しかったり、雰囲気ゲーだったり、クリアしてみると実は子供にプレイしてもらうのが一番良いのではないかと考えてしまったりと、なんとも不思議な作品だった。